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活動報告Activity Report

埼玉企業法務研究会トップページ > 活動報告 > 2019年度 >2019年2月15日発表

年金制度(弁護士 三輪 貴幸)

第1 概要
 1 年金とは…毎「年」定期的・継続的に給付される「金」銭
   ⇔一時金
   →根拠法には社会保障・厚生法編の国民年金法、厚生年金保険法等がある
 2 被保険者…年金は「保険」の一種
  ・第1号…自営業者等
       年金掛金は、自ら支払う
       ※支払免除・猶予の制度あり
  ・第2号…会社員・公務員等、厚生年金保険の適用を受けている事業所に勤務する者
       年金掛金は、給与から天引き+就業先と折半
       ※自動的に国民年金にも加入
  ・第3号…第2号被保険者の被扶養者
(健康保険の扶養者となれない年収130万円未満の者)
年金掛金は、扶養者が加入する年金制度が一括負担
       ※年金分割の対象となる
       ※第1号被保険者の被扶養者は第1号被保険者
 3 給付 
  ・老齢給付金(いわゆる「年金」)
   …原則65歳から給付開始
    ※老齢厚生年金は、加入期間や所得によって受給年金額が決まる
     =報酬比例部分
     一定の条件を満たすと配偶者や子供の人数に合わせて受給額が加算
     =加給年金
  ・障害給付金(いわゆる「障碍者年金」)
   …障害等級1級又は2級に該当する障害を負った場合に支給
    ※障害厚生年金は3級の場合にも支給される
  ・遺族年金(いわゆる「遺族年金」)
   …加入者が死亡した場合にその者によって生計を維持されていた、
    子のいる配偶者、及び子に支給
    ※子は、18歳になった年度の3月31日を経過していないこと
    ※遺族厚生年金は、
加入者が死亡した場合にその者によって生計を維持されていた、
配偶者、子・孫、55歳以上の父母・祖父母に支給
→遺族基礎年金と遺族厚生年金を受けられる

第2 年金の種類
 1 公的年金…日本年金機構が運営する年金
   →加入者は全国民
  ・国民年金…国民全員が加入する年金
        いわゆる1階建て部分
  ・厚生年金…労働者が加入する年金
        いわゆる2階建て部分

 2 私的年金…日本年金機構以外の機関が運営する年金
   →加入は任意
 (1)企業が実施する年金
  ・厚生年金基金…国が行う厚生年金の一部の支給を厚生年金基金が「代行」
          +厚生年金に給付を「上乗せ」して年金の支給を行う
   →2014年以降新規の厚生年金基金の設立は×に

  ・確定給付企業年金…従業員が受け取る「給付」額が予め「確定」
   (確定給付企業年金法に基づく)
   →掛金の積立…企業が実施
(本人同意の上2分の1を上回らない範囲で本人負担OK)
    運用・管理・給付まで企業が実施
    ※規約型企業年金…労使合意を得た年金規約に基づき、企業が信託会社や生命保険会社などと契約を結び、年金資産の管理・運用、給付を実施
    ※基金型企業年金…企業が別法人としての基金を設立し、基金が管理・運用・給付を実施(通常は基金からの外部委託)
             →300名以上の加入者が必要

  ・企業型確定拠出年金
   →掛金の積立…企業が実施
    ※予め掛金額が「確定」している
    ※拠出限度額あり(確定拠出法が定めている)
    ※掛金は加入者の給与にはならないので税金がかからない
    従業員が対象金融商品を選んで年金資産の運用を実施
    →企業…掛金を加入者ごとの年金口座(資産管理機関)へ毎月拠出
     加入者…運用管理会社に運用指図を行う
     運営管理機関…運用商品の選定と提示を行う
     資産管理機関…掛金を受け入れ、運用指図に基づく運用商品を購入
    給付額は運用実績により異なる
    ※原則は老齢給付金…原則60歳から給付開始
     →公的年金等控除あり
    ※高度障害になった場合…障害給付金
     →非課税
    ※死亡した場合…死亡一時金を遺族が受給
     →みなし相続財産
    ※脱退一時金あり
     →退職所得控除あり

 (2)個人が任意で加入できる年金
  ・国民年金基金…第1号被保険者が任意で加入する制度
   →都道府県ごとの地域型国民年金基金or職能型国民年金基金
    ※H31.4月統合予定
    ※掛金の限度額あり
    給付は老齢給付(給付開始年齢と給付保証期間の組合せ)
&遺族一時金(非課税)
    ※障害給付がない

  ・個人型確定拠出年金…20歳以上60歳未満の者が任意で加入する制度
   →掛金の積立…加入者が実施
    ※掛金の限度額が他の年金の掛金との兼ね合いで異なる
    加入者が対象金融商品を選んで年金資産の運用を実施
    →基本的な仕組みは企業型確定拠出年金と同様



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(Saitama Corporate Legal Affairs Association)